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ここ数年問い合わせが増えてきている問題点

過去は、費用、期間、治療のやり方などがほとんどでしたが、最近の問い合わせでは、
下記の内容が多くなっています。

illust1261_thumb.gif・矯正の看板が出ている歯科が沢山あり専門の病院がわからない
・どこで矯正すれば治るのか
・専門医の資格は何処でわかる?
・矯正歯科の選択で注意するところ


以上の問い合わせに対し、下記に提示いたしますので参考にされてください。


はじめに

戦後の経済発展、昭和バブル、平成不況と世の中が変わる中、歯科医療界も大きく向上し、
その中の一分野である矯正歯科の需要は高まりを続けているのは、ご承知のとうりです。
これは、生活環境や情報伝達の向上、国民の健康に対する意識の高まりを示す結果だと推測
できます。しかし、それに伴い"自称"矯正歯科専門医が雨後の竹の子のように増えているのも
事実です。問題は、後に示しますが矯正に携わるトレーニングを受けていない歯科医師の
安易な治療行為としてのトラブルや、大学などの研究機関などに所属する経験が少ない
矯正医が、大学の医局に許可無く、隠れてバイトとして一般歯科で矯正治療をした結果
トラブルを起こすケースが増えています。
私のクリニックにもトラブルを理由に転医を希望されて来る患者さんが年々増えており、
それらの人の殆んどが看板 ( 参考までに、 矯正歯科と看板に書いてあってもなんらかの
矯正歯科医の資格がある医療機関とは限りません。というのは、現在の日本の法律では、
歯科医師である限り法律上はどの専門分野の治療をしても良いことになっているからです。
従って看板は自由に記載できます。) に矯正と書いてあったから、また月に1~2回大学の
矯正専門医が治療をしてくれるので安心と説明をうけたと言われます。 一般に学会等の
試験を受けて認定された矯正専門医(参考:学会のアドレス ) は全国的に見ても歯科医師
全体の一握りしかいません。すべてが悪いとは言えませんが、 "自称" 矯正専門医の言葉が
横行して、医師の経歴・実績・所属などが不透明なまま治療が進められる為、治療がうまく
行かない時の責任の所在も不明のままで終え、トラブルになってしまうケースが後を
絶たない状況です。その他にも、バナナの叩き売りかのごとく治療費を下げ、治療勧誘を
したりするクリニックも 増えてきています。以上の事から、内状を知らない一般の方の
医療不信や、なによりも矯正歯科治療の質に対して、良識ある専門医間では、危惧される
状況となっています。
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安心・安全な医療機関を選ぶための基準

これを基に広く国民に安心・安全な医療機関を選ぶための基準を提供しようとしているのかが
下記の示す矯正歯科専門医、指導医、認定医の制度です。この制度は、日本のその他(小児
歯科・口腔外科・歯周病・補綴 etc)の専門医制度に比べてもその基準が厳しく、高い技術と
経験が要求されています。

認定医 : あくまでも矯正学に関して最低限の学識と経験を有することを認定したものですが、
経験が浅い認定医とベテランの認定医とでは内容的に大きな違いがあるのも付け加える必要が
あります。

指導医 : 大学に相当長く在籍して、教育と研究歴を積まないとなれない資格なので、認定医を
取得後すぐに開業して実地現場で経験を積みながら腕を磨いた先生は、事実上取れない資格に
なっています。従って、大学とゆう研究機関の医局に長く在籍する指導医は、教育と研究歴を
重視している資格であるため、必ずしもそれが治療実績とリンクしない点が指摘されて
います。教師よりも勉強の出来る学生、監督よりも能力がある選手というのはどこの世界でも
見られるように、矯正歯科の世界でも指導医よりも実際の治療実績がある認定医は多数いる
のも現実です。

専門医 : 患者側の多くの希望は、実際の治療実績すなわち“矯正医の腕”の評価を得たいと
言うのが多数と推測されます。このような背景から、より治療実績を重視したカテゴリーを
新たに作って、広く国民に情報をより細かく提供しようと言うのが“日本矯正歯科学会専門医”
の制度です(その他 : 日本矯正歯科協会、日本成人矯正歯科学会などにも同様の認定医、
専門医の制度が有りますがここでは国内最大の日本矯正歯科学会のものを提示します)
各地区の矯正専門医の検索ページ→http://www.jos.gr.jp

矯正歯科専門医になるためには、
1.認定医資格を取得後、2回以上更新試験に合格していること。illust3167_thumb.gif
2.最近10年以内に矯正臨床に関する論文、著書または学会発表があること。
3.学会の指定した10種類の治療例を提示して最低基準をクリアすること。
4.口頭試問に合格すること。


安心・安全な矯正歯科医院の見分け方

 実際には、特別な情報をもたない患者側は、矯正歯科医院を選ぶ基準としてどのような
認識を持てばいいかという事についてですが、やはり認定医は重要な目安と考えられます。
もちろん日本矯正歯科学会などの認定とは全く別の形で修行を積んで、立派な矯正治療を
されている先生も多くいらっしゃいますが、少なくとも認定医であれば矯正を専門に最低
5年は勉強したことは明らかですので、確率的に高い目安になります。あとはさらに上の
グレードの目安を求めるのであれば、指導医か専門医を持っている先生が良いでしょう。
(各地区の学会ホームページを参照)  以上のように、専門医資格の登場によって、より現実に
即した情報として患者さんが、先生を選ぶことができるようになっていくとは思いますが、
絶対条件あるいは必須条件ということではありません。現状では「専門医」を持っている
先生は目安として、実力、経験、学識共に形式上は最上の資格です。ただし実際に
患者さんは、人間性、相性、料金、通いやすさ、実際の評判など様々な要素を総合して医院
選びをすることになりますから、資格はやはり単なる目安に過ぎないことを認識しておき
ましょう。ここでは、最近の問い合わせが多くなった事柄について参考提示しましたが、
最終的には患者様が“自己責任”においてご判断されるのだということを忘れずにいましょう。

 院長 犬童寛治